冬の転倒災害を防ぐには|中小事業場が11月に始めたい足元の安全点検

概要:冬が来る前に、職場の足元を確認しましょう

花巻労働基準監督署は2026年10月23日、令和8年度の冬季転倒防止対策のキャッチフレーズを掲載しました。冬の準備を進める時期に合わせ、本記事では中小事業場で取り組みやすい対策を紹介します。

「転倒災害」とは、仕事中に滑る、つまずくなどして転び、けがをする労働災害です。厚生労働省は、積雪や路面凍結によって冬季に転倒災害が増える傾向を示しています。雪が少ない地域でも、通路の凍結に注意が必要です。

今回取り上げるのは季節性の安全対策であり、新たな制度の施行を知らせる記事ではありません。施行日はありません。花巻監督署の周知は同署管内に向けたものですが、足元の点検は、業種や規模を問わず、屋外通路・駐車場・出入口を利用する職場で参考になります。

事業者への影響:注意喚起と職場環境の改善を組み合わせる

転倒によるけがは、本人の療養に加え、欠員対応や作業分担の変更につながることがあります。歩く本人への注意喚起だけでなく、滑りやすい場所を減らす環境整備を進めましょう。

例えば、早朝の駐車場、建物の日陰、濡れた出入口などは、勤務時間や天候によって状態が変わります。管理者の巡視に加え、実際にその場所を使う従業員の声を集めることが役立ちます。

今すべき対応:担当者と改善期限を決める

1.駐車場から作業場所までを歩いて点検する

出入口、通路、階段などについて、凍りやすい場所、水がたまる場所、暗い場所を確認します。「ヒヤリ・ハット」は、事故には至らなかったものの危険を感じた経験のことです。その情報を簡単な敷地図に記入し、危険箇所を共有しましょう。

2.除雪や床の水分除去を、誰が行うか決める

寒波が来てから慌てないよう、除雪・融雪の資材や出入口のマットを準備します。朝の確認担当と代わりの担当を決め、危険箇所は安全を確かめるまで迂回できるようにします。除雪作業自体の安全にも配慮してください。

3.靴は使用する路面に合わせて選ぶ

「耐滑性」とは、滑りにくさを指します。ただし、水や油のある床に適した靴が、凍った路面でも同じように使えるとは限りません。履物の説明を確認し、実際の作業環境に合うものを検討しましょう。

4.急がせない業務運営と短い教育を行う

悪天候時の連絡方法や作業開始時の確認を決め、移動を急がせない運営を考えます。朝礼などでは、危険箇所と迂回経路、雪道での歩き方を共有します。新しく働き始めた人にも伝わる方法を用意しましょう。

5.対策後に再確認する

点検表には「危険箇所・改善内容・担当者・期限」を記録します。改善後も、降雨や冷え込みの後に状態を確かめ、従業員の意見をもとに見直しましょう。

相談案内

当事務所では、職場巡視での危険箇所の整理、安全衛生教育、担当者と進める改善計画についてご相談いただけます。事業場の規模や作業内容に合わせ、継続しやすい方法を一緒に検討します。

個人の体調や治療に関する判断は、本人の状況に応じて主治医・産業医等へご相談ください。

出典・参考資料

確認日:2026年11月2日。

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